Turn on, tune in, drop out

Timothy Francis Leary

他を捨て、今に集中する。という事を考えていた時、思い出したのは、ティモシー・リアリーのTurn on, tune in, drop outというフレーズでした。

Turn on, tune in, drop out

“Turn on” meant go within to activate your neural and genetic equipment. Become sensitive to the many and various levels of consciousness and the specific triggers that engage them. Drugs were one way to accomplish this end.

“Tune in” meant interact harmoniously with the world around you – externalize, materialize, express your new internal perspectives.

“Drop out” suggested an active, selective, graceful process of detachment from involuntary or unconscious commitments. “Drop Out” meant self-reliance, a discovery of one’s singularity, a commitment to mobility, choice, and change.

Unhappily my explanations of this sequence of personal development were often misinterpreted to mean “Get stoned and abandon all constructive activity”.

ティモシー・リアリーのwikiを読んでいると、アレン・ギンズバーグと脳の共感回路につなげる神経学上の革命を構想し実行していたとか、カルフォルニア知事戦でジョン・レノンが応援ソングを作ってくれるとか、本当の民主主義はモデムを通して行われるというモデムクラシーを提唱していたとか、そのまま丸ごと映画にできそうな破天荒さが下手なフィクションより数倍も面白いのですが、マーシャル・マクルーハンにメディア戦略についてアドバイスされて思いついたのが、Turn on, tune in, drop outというスローガンだという事です。

心の奥底にある無限の創造性に徹し、これに随順して生きること

禅とは、心の奥底にある無限の創造性に徹し、これに随順して生きることだ。 – 鈴木 大拙

Turn on, tune in, drop outを強引に意訳すると「スイッチを入れ、意識を集中し、それに没頭する。」というようなニュアンスになりますが、まさに禅の影響を受けています。禅という字は、「単を示す」と書きます。単(ひとえ)とは一つの事です。リアリーも俊隆老師の元で禅の修行をしていたそうな。

達磨から始まった禅の教えが、大拙俊隆によってアメリカに伝わり、リアリーがニューロポリティックスを考え、ジョブスがiPhoneに昇華したというストーリーにgrandnessを感じずにはいられません。

少なくともぼくは、幸運にもティムと出会い、ティムがぼくの青葉台の仕事場に遊びにきて、愛犬のリボンを抱き上げながらニコッと笑って「シーリアス!」と言うまでは、以下の計画の前半はともかくも、その後半部分を誰かに解説してあげる気にすらならなかったのである。
– 松岡正剛 千夜千冊 936夜 ティモシー・リアリー 神経政治学

 

 

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